【パワハラ判例】三井住友海上火災保険上司(損害賠償)事件

投稿日: カテゴリー: Megumi-SR NEWS

今回は名誉毀損・パワハラによる訴訟の判例をご紹介します。
パワハラで会社が勝った事例です。最近、ちょっとした注意に対して「それパワハラです!」といわれ、困った・・・という相談が増えています。裁判所は公平に見てくれるということがわかる事件だと思います。

<事件の概要>

Xが上司Yを訴え、慰謝料100万円を請求。概要は、YがXについて「意欲がない、やる気がないなら、会社を辞めるべきだと思います。」などの内容をメールでXと職場の同僚に送信した。

<第一審の結果>

請求は却下されました。理由は以下の3つです。
①名誉毀損とは、「具体的な事例を摘示して、人の社会的評価を客観的に低下させること」であり、Xの業務遂行状態を知っている同僚に具体的でないメールを送信しても該当しない。
②社内研修資料にパワハラとは「『他者に対して社会的勢力を利用し、職務と直接関係のない、あるいは適切な範囲を超えた嫌がらせの働きかけをし、それを繰り返すこと。そしてその行為を受けたものが、それをハラスメント(嫌がらせ)と感じたとき』に成立します。」と記載。判決では、「定義が厳密に正確かどうかはともかく、一応の基準として参考」と判断。
③メールの表現については、「Xの業務遂行状態が就業規則上解雇事由に当たるとほのめかしていない」と解釈。

<Xが控訴>

第一審判決に不服だったXは控訴、結果は、控訴一部容認(原判決変更)。慰謝料5万円。
判決内容は、「名誉毀損について、送信目的が正当であったとしても、その表現において許容限度を超え、著しく相当性を欠くとして、不法行為を構成すると判断」。ですが、パワハラは否定。メールがXの名誉を毀損していても、Xの地位に見合った仕事量に達するよう叱咤督促する趣旨とうかがえ、「パワーハラスメントの意図があったとまでは認められない。」と判断。

この件では、社内研修が評価されたといえます。会社がハラスメントの基準を明確にし、研修を行っていたことで、会社側の主張が通りやすくなったといえます。会社がいかに、問題が起こらないように気を付けていたかが、重要視されるのです。
このような事例はどの職場でも起きる可能性があります。判決も大切ですが、訴訟自体を避け、雇用主・労働者双方にとってよい職場環境をつくることが重要です。

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