187.振休と代休と割増賃金

振休・代休の闇は深く深く深く・・・・・・・

休日出勤と、振休・代休の違いについて-YouTube

※振替休日は、正式には「休日の振替」なのですが、わかりやすく一般的に呼ばれている「振休」や「振替休日」としてお話ししております。

休日」・「休暇」・「有給休暇」とは?

はじめに休日出勤したときの注意についてお話しする前に、そもそも「休日」・「休暇」・「有給休暇」にはどういった違いがあるのか?についてご説明します。

「休日」とは?

労働の義務がない日です。

ノーワークノーペイの原則により、賃金は発生しません。

「休暇」とは?

労働の義務が免除された日です。

規定などにより、賃金が発生する場合・しない場合のどちらもありえます。

「有給休暇」とは?

「年次有給休暇」という、労働基準法で認められている労働者の権利です。

「休暇」の名のとおり、労働の義務があるが、免除された日になります。

ノーワークノーペイの例外により、賃金が発生します。

「法定休日」・「所定休日」とは?-休日出勤したときの割増賃金について

上で説明した休日には「法定休日」と「所定休日」の2種類があります。

「法定休日」について

これは労働基準法第35条で決まっている、毎週少なくとも1回か4週に4日以上、休日を取らせなければいけないという法律があります。

この法律で決まっている休日が法定休日です。

「法定休日」に法律をやぶって休日出勤させた場合には、休日労働として3割5分以上割増して賃金支払いすることになります。

「法定休日」は深夜時間帯に働いた場合は、深夜業割増の2割5分以上も同時に必要となります。

「所定休日」について

週休2日の会社の場合は、2日のお休みのうち1日は法定休日ではありません。

法定休日ではないもう1つの休日というのは、法律上決められている休日ではなく、会社が任意に与えている所定休日となります。

「所定休日」は法律上決められている休日ではないため、3割5分以上の法定の休日労働割増は対象外です。

しかし、「所定休日」は2割5分以上の時間外割増と深夜業割増は対象となりますので、これらの違いに注意が必要です。

休日出勤したときは、「法定休日」と「所定休日」の割増率の違いと共に、1日8時間・週40時間を超えて働いていないかも同時にチェックしなければならないことに注意してください。

PodcastYouTubeでは具体例の解説もしております。

「振替休日」・「代休」の違いとは?
-「振替休日」はたまらない

大体の会社には、「振替休日」と「代休」というものがあります。

その中で「休日出勤すると振替休日がたまっていく。」という言葉を聞きますが、それは法律上はありえないのです。

代休はたまることがあっても、振替休日はたまるものではありません。

この2つは、休日出勤をしたので代わりに他の日をお休みにしますという、結果は一緒です。

結果は一緒なのに、たまったり・たまらなかったりする・・・それはなぜなのでしょう?

その答えは、「振替休日」と「代休」が、法律上は別物であるからです。

厚生労働省のホームページに『振替休日と代休の違いは何か。』というQ&Aが載っています。

上記の違いを簡単にご説明します。

振替休日とは、事前に振替日の特定ができていること。

代休とは、事後に振替日が特定されること。

これらの違いによるものから、たまったり・たまらなかったりするということなります。

また、上記厚労省HPには振替休日について、以下の文章があります。

『もともとの休日に労働させた日については「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません。』

ここは誤解しやすいところなのですがこの『休日労働に対する割増賃金』というのは、(法定休日の)休日労働に対する(休日労働の3割5分以上の)割増賃金』の支払義務がないことを指しているのであって、時間外労働や深夜業の2割5分以上割増を指してはいません。

振替休日においても、時間外労働や深夜業の2割5分以上割増賃金の支払義務はありますので、ここも注意が必要です。

振替休日を振り替えられないことが常態化
-その解決策について

先ほどもご説明したように、振替休日というのはたまりません

たまるならばそれは代休ですが、ここでは一般的に使われている言葉として振替休日としてお話しします。

従業員さんの「振替休日がたまっている」それが常態化してしまうことがあります。

振替休日を使うためには、休日出勤になる前に、あらかじめ何日に休みますというのを決めて入れ替えなければならないですよね。

そうやって入れ替えたはずの日がやっぱり休めなくて、振替休日の振替休日の振替休日みたくなってしまい、たまっていっているのが常態化してしまっている現実があります。

結果的に実害として何が発生するかというと、振替休日がたまるのではなく、未払い賃金がたまっているのです。

ここまでのお話で休日出勤による振替休日や代休の運用管理や、給与計算時の割増賃金の取扱いついての難しさをおわかりいただけたと思いますので、私のお勧めの方法をお話しします。

  ここがポイント!

それは従業員さんが休日出勤をした場合には振替休日や代休というのは一切使わずに、もうそこは休日出勤手当を割増賃金も含めお支払いして解消しましょうということです。

それがコンプライアンス違反とかにならずに、一番いい方法なのではないかなと思います。

結局のところ、休日出勤が重なっていくと同時に未払い残業代がたまっていくだけで、それはどこかで解消しなければいけないわけなので、会社は何の損にもなりません。

ですので早く、休日出勤手当を割増賃金も含めお支払いして解消した方がよいのではないかということです。

振替休日控除をすると従業員さんにどのような不利益があるのか

とてもしっかりと管理されているかのように見える、振替休日や代休の控除についてお話しします。

振替休日や代休の控除をすると、従業員さんに思わぬ不利益をもたらす可能性があります。

例えば、会社は従業員さんの休日出勤時にとりあえず休日出勤手当を割増賃金も含めて、正確な金額を支払っていたとします。

その後、従業員さんが振替休日を取得した時に、振替休日控除などの名目で1日の日給分だけ引くというような、一見クリーンに見える管理方法です。

確かにそれは凄くクリーンなのですが、会社が固定残業制を取り入れているとどうなるのでしょうか?

それは従業員さん側から見ると、休日を入れ替えて休日出勤した上に、休日出勤手当がその月の固定残業代でカバーされ消えてしまう可能性があります。

次の月に振替休日を取ってお休みしたら、その1日分の振替休日控除などをされてしまうという大変理不尽な目に遭うことがあるわけです。

せっかく従業員さんが休日出勤をしてくれたのに、こういった不利益をこうむることになってしまいます。

それはやめたほうがいいですよね。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: megjo-bg_remove.png
  ここがポイント!

それなので休日出勤が発生したときは、振替休日や代休は使わずに、休日出勤手当を割増賃金も含めお支払いして解消するという方針で運営していただけると良いなという風に思っております。

今週はここまでになります。

恵社労士事務所のご相談窓口について

恵社労士事務所ではこのような人事におけるお困りごとの労務相談も歓迎ですのでお気軽にご相談ください。

社労士をお探しの方はぜひ一度お問い合わせください。

今週も、ぜひお聞きください!