191.確定拠出年金について解説してもらった その1

191.確定拠出年金について解説してもらった その1-人事・労務の豆知識 Podcast

今回は、質問箱にいただいたiDeCoについてのお話しです!!
詳しい先生をゲストにお呼びしました!!私も長年の疑問が解消されてすっきりです。
ゲスト回はついつい長すぎちゃうので、次回に続きます。

確定拠出年金のご相談は→社会保険労務士オフィスきむら 木村 竜也 先生へお問い合わせしてみてください。

今週は質問箱でご質問をいただいたiDeCoの話をしてもらおうと思います。
すごく久しぶりのゲスト回、社会保険労務士の木村 竜也 先生をゲストにお呼びいたしました。
ここからは木村先生からのお話しをお届けします。

木村 竜也 先生からの自己紹介

ありがとうございます。 
社会保険労務士の木村 竜也と申します。

企業型確定拠出年金の導入支援をさせていただいております。
確定拠出年金は厚生局への承認が必要です。
その承認をいただくため、書類を整えたりする申請の業務があります。
就業規則なども承認の時に必要ですので、就業規則を作成・変更します。
あと賃金規定も見直しするような形でさせていただいております。

あとは媒介の業務になります。
確定拠出年金には色々なプランがあります。
特定のプランを私の方でご紹介させていただいて、事業資産の最適なプランの選定と制度設計を一緒に行う業務です。
この媒介の業務も申請の業務と合わせて一緒に行っていくところです。

また企業型確定拠出年金の導入後は継続研修や投資教育がありますので、こういった教育を通じて従業員さんのマネーリテラシー向上を目指しております。
ライフプランを作成したり、住宅ローンや生命保険の見直しをしつつ、FP的な側面での生業も同時にさせていただいていているところでございます。

本日はよろしくお願いします。

質問箱のご質問内容

ご質問の内容

いつもためになるポッドキャスト、ありがとうございます。
毎回楽しみにしています!

2022年10月からiDeCo制度が改正になったと聞きました。
新聞などで読んだのですが、なかなか理解できません。
そもそも元の制度もわかりにくくて・・・

どんな改正なのか、どんなメリットがあるのか
人事担当として知りたいです。
ぜひ詳しく教えてください。

木村先生からのご回答ー用語について

はじめに市川先生から確定拠出年金・企業型DC・iDeCo・401kの用語についてご質問いただきましたので、お答えします。

ここからもうよくわからない、とのお声もあるかと思います。
簡単にご説明すると

401k=確定拠出年金=企業型DCであり、401k=確定拠出年金=iDeCoです。

まず401kは、アメリカの確定拠出年金の制度が内国歳入法の401条(k)項にあることから401kと呼ばれています。
このアメリカの401kを日本は輸入しています。
そのため401kは確定拠出年金のことを指していて、401k=確定拠出年金となります。

その上で確定拠出年金というのは、企業型と個人型の2種類にわかれるわけです。
企業型確定拠出年金は企業型DCもしくはDCと呼ばれています。
個人型確定拠出年金は”i”をつけて→iDC→iDeCoと呼ばれています。
個人型確定拠出年金の英語表記「individual-type Defined Contribution pension plan」の略ですね。

401k=確定拠出年金は下記の2種類に分類されます

確定拠出年金の企業型=企業型DC

確定拠出年金の個人型=iDeCo

そもそも確定拠出年金とは?

ここからは質問箱のご質問の内容に入っていきます。
そもそも確定拠出年金とは?ということと、元の制度も分かりにくくて、というところですよね。
そちらをお話しさせていただきます。

まず確定拠出年金のポジションは以下の2つです。
・会社さんの退職金制度を確定拠出年金として取り入れる
・確定拠出年金は私的年金のうちのひとつである

公的年金は1階と2階建て(国民年金と厚生年金)がありますよね。
私的年金は公的年金の上の階、いわゆる3階建て部分の自助努力型の年金です。
ここに企業型DCiDeCoなどが入ります。(※階数は人により異なります。)

確定拠出年金の拠出限度額-厚生労働省

このいわゆる3階建て部分にあたる私的年金も、企業年金個人年金にわかれます。

個人年金確定拠出年金のiDeCo、その他に国民年金基金付加年金、民間の生命保険会社の個人年金等もあるわけですよね。

確定拠出年金は最新の制度なので、現在のトレンドになり得るものなのかなと思います。

確定拠出年金の拠出について

ここまでで年金というのは
・公的年金
・私的年金
があり、私的年金は
・企業年金=企業型DC 等
・個人年金=iDeCo 等
にわかれており、企業型DCとiDeCoは両方とも確定拠出年金であるとご説明しました。

確定拠出年金という漢字を思い浮かべていただくと、拠出する額が確定しているとおわかりいただけると思います。

例えば「私は毎月1万円拠出します。」といった形で、毎月拠出する金額を確定させるのが確定拠出年金です。
そこで企業型DCとiDeCoの違いが出てきます。

この2つは原則として“掛金を誰が拠出するか”ということに違いがあります。

企業型確定拠出年金=企業型DCは、原則として企業が掛金を拠出します。
(※企業型年金規約で定めた場合は加入者もマッチング拠出可能。)

個人型確定拠出年金=iDeCoは、国民年金1号・2号・3号・任意加入の全員が加入対象です。原則として加入者個人が掛金を拠出します。
(※iDeCo+だと事業主も拠出可能。)

掛金の運用について

ここまでで拠出した掛金を、次の段階で運用することになります。
例えば「私(加入者等)は毎月1万円拠出します。」など、毎月拠出する金額を確定させたとします。
その毎月拠出する1万円というお金を運用していくわけですが、その資産配分を加入者等が選択して運用します。

運用をしていったその成績によって、将来受け取る年金は変動するわけです。
運用というのは、国内外の株式・債権などの投資信託、あとは金もあったりします。
例えば加入者等が「私はこの1万円の、10%は国内外の株式、30%は債券、残りの60%は金で運用していきます。」というような形で選択します。
その結果、受給開始時期を迎えると運用成績に応じた結果の給付金を一時金や年金で受け取ることができるという制度になっています。

確定拠出年金のメリットとデメリットについて

確定拠出年金の企業型DC・iDeCoに共通するメリットについてお話しします。

税制面で非課税や税軽減があり、
優遇措置が取られていることがメリットです。

まず拠出する掛金が全額所得控除の対象です。
所得税と住民税、この部分については非課税になります。
これはかなり大きいですよね。

あと運用益が非課税です。
運用していた結果の利益が良かったとしても、その利益に本来であれば20%税金が取られますが、ここがゼロになります。

給付金受け取り時の税制メリットもあります。
給付金の全部または一部を受け取る時に、その運用成績に応じてもらえる額に対して退職所得控除が使えるわけですね。
このあたりを色々と話すと長くなってしまいますが、簡単に申し上げると
一時金で全部または一部を受け取ると退職金扱いをして税金計算時に控除を受けられる
年金で受け取ると国民年金・厚生年金と同じ公的年金扱いをして税金計算時に控除を受けられる
このようにできるだけ税金を取らないようにする、というような制度になっています。

以上がメリットです。

一方でデメリットもあります。

それは確定拠出年金に掛金を拠出していった部分、例えば毎月5,000円なら年間6万円は、原則として老齢給付金の受給開始時期までは引き出せません。
(※障害給付金、死亡一時金、脱退一時金には別の決まりがあります。)

これが確定拠出年金の唯一のデメリットかなと思います。

木村先生ありがとうございます。
まだまだお話を伺っておりますが、そちらはまた来週に持ち越しということで引き続きよろしくお願いいたします。
本日のお話を聞いた木村先生の事務所はこちらになりますので、確定拠出年金などをお考えの方はぜひお問い合わせしてみてください。

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今週はここまでになります。
192.確定拠出年金について解説してもらった その2 へつづく

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