194.退職の種類について

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会社都合の退職が、すべて解雇だと思っていませんか????
退職の種類について解説しました。

退職とは

退職や解雇などの言葉について、一般的には本当の意味を知らずに使われていることがあると思います。
退職にも種類がありますので、本日はこちらについてお話をします。

まず退職についてご説明します。
退職とは、会社さんと従業員さんで雇用契約を解約することですね。
退職日というのは雇用契約の終了日にあたるわけです。

そして常時10人以上の労働者を雇用する会社さんには、就業規則の絶対的必要記載事項として、退職に関する事項(解雇の事由を含む)を所定の手続きのもと規定、届出して周知する義務があります。
労働契約締結の際や更新時の労働条件の明示としても、退職に関する事項(解雇の事由を含む)は絶対的明示事項になります。
就業規則・雇用契約書等に、こういう条件に当てはまったら雇用契約の解約をします、すなわち退職になるということになるということが書いてあります。

そのひとつが定年による退職です。
定年を設けている場合、現在は60歳以上の年齢で定年する旨が定められていると思います。

その他は休職期間満了や契約期間満了による退職です。
休職期間というのは、私傷病等で働けなくなった時に一定期間休んでも従業員としての身分を保てる期間で、その休職期間を満了すると退職するなどの措置が定められているものです。
契約期間満了とは有期労働契約において、いつからいつまでと契約期間を定めてその期日をもって雇用関係が終了することをいいます。
有期雇用契約には契約の更新無しとする場合や、契約の更新有りとする場合もあります。
契約の更新有りとする場合は更新に関しての条項が雇用契約書等に記載されていて、それを満たせない場合は期日をもって契約期間満了になります。

これらの期間満了による労働契約の終了ではなく、期間の途中で労働契約を解約したいということになった場合の取扱いについては、労働者側の都合である時と使用者側の都合である時とで異なります。
次はその違いについて解説します。

労働者側からの退職について

労働者側の都合=本人都合の退職について、一番よくあるのが自己都合による退職になります。
まず基本的に流れとしては、従業員さんが退職願や退職届などを会社さんに提出します。
それを受けて会社さんが退職に合意をして、退職日を決めて雇用契約が終了する形ですね。
こちらは就業規則等に、いつまでに退職届等を提出するなどの取り決めが記載されてあります。
こういった流れでの労働者側からの自己都合退職は、使用者側との合意解約なわけです。

そうではなくて労働者側が退職の意思表示をしても、使用者側が「あなたはわが社にとって重要な人材なので絶対に辞めさせない。」などと主張して、退職について合意してもらえない場合もありますよね。
この場合は民法第627条の規定で、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」と定められており、以下の方法をとることで雇用契約を解約できます。
まず労働者側から退職する旨についての文書を、使用者側へ内容証明などの証拠が残る形の提出・送付をします。
そして2週間経過する雇用契約終了日までは年次有給休暇を使う・欠勤するという方法をとって、一方的に退職するというようなこともできるようになっています。
こちらの方法は労働者側が退職の意思を伝えているのにもかかわらず、使用者側が合意してくれなくて辞められなくなってしまっているときの救済措置と考えてほしいところです。
法律で決まっている措置なので、これは誰でも持っている権利ではあります。
最近は従業員さんが「退職したい」という一言を会社さんに言えなくて、言えないけれど辞めたくて・・・といってこの方法とる方がいらっしゃいますが、それはちょっと考えものだと個人的には思います。

解雇という言葉について

使用者側から退職してほしくてその結果労働者側が退職となった場合、ひとまとめにクビ(首)になる・解雇になると思われていることがあります。
しかしそうではなく、まず「クビ」という法律用語はありません。

「解雇」については法律用語であり、非常に繊細に扱う必要があります。

この言葉の使い方に関しては、本当に気をつけていただきたいところです。
使用者側から労働者側に退職してほしい場合、大きく分けて2つあります。
これは労働者側の合意がある場合と合意がない場合ですね。

退職における労使合意と手続きの重要性

使用者側が退職勧奨をしたときに、労働者側の真意の合意がある上での退職であれば解雇には該当せず、解雇予告や解雇予告手当は絶対に必要というものでもありません。
だけどこちら考えてみてください、合意しなければ解雇予告や解雇予告手当はもらえるわけです。
労働者側からしたら退職勧奨に合意をしたら解雇予告や解雇予告手当をもらえない、となったら合意しないですよね。
そのため大体の場合は、解雇予告手当よりも多めの金額をお支払いして合意を得るというようなお話が多いです。
会社さんは解雇予告手当を支払いたくないからといって無理やり従業員さんに退職を合意させる、というような考え方をするのは紛争のリスクがありますのでやめてくださいね。

こういった退職勧奨で労働者側から真意の合意が取れた場合は解雇ではなく、会社都合の退職となります。
そして合意が取れたとはいえ自己都合退職にもなりません。

このような場合に雇用保険の離職証明書を作るときは、会社都合による退職となります。

会社都合で従業員さんが退職した場合は、一定期間助成金の交付を受けられないなどの要件があり、そこには引っかかります。
でもこれは労使間の合意退職である以上、解雇ではないのです。

解雇はとても難しい

使用者側から一方的に労働契約の解約をすることを「解雇」と言います。

使用者側から労働者側に退職勧奨をして合意が得られた場合や雇止め法理に反しない有期労働契約期間の満了などであれば、解雇ではありません。

解雇についてはここからが問題になります。
解雇は解雇予告や解雇予告手当などの手続きを踏めばできるものと思われがちです。
しかし手続きを踏んだとしても、実際に裁判などで争いになった場合にはその解雇が無効となるケースがほとんどです。

なぜなら労働者側というのは、だいたいが一社専属契約ですよね。
一社専属契約でそこからしか収入が入ってこない状況だというのに、解雇されてしまったら生活が成り立たなくなります。
それなので労働者側はものすごく法律で保護されているのです。

ご本人は会社を辞めたくないと言っているのに無理やり辞めさせた場合というのは、その解雇が本当に必要だったのかを大変厳しく問われて、解雇はほとんど認められず使用者側が負けることになります。
そうすると裁判所の判断によりますが、ご本人を会社に戻さなければいけない上に解雇期間中の賃金などを支払うことになり得ます。
解雇というのは基本的にできないと専門家たちが言うのは、こういった理由からなのですね。

解雇の種類について

解雇にも普通解雇・整理解雇・懲戒解雇という3種類があります。

その他に、諭旨解雇というものもあります。

気をつけなければならないのが、就業規則等に解雇についてきちんと定めていない、周知されていない場合です。
それが原因で解雇無効となることがありますので、本当にご注意いただきたいと思います。
解雇については普通解雇・整理解雇・懲戒解雇・諭旨解雇のどれも要件がものすごく厳しいので、やはりやめておいたほうがいいということになります。

本日のまとめ
解雇という言葉の使い方には気をつけましょう。
そして退職については会社さんと従業員さんとで、しっかりと合意に向けたお話し合いをすること。
事案ごとにしっかりと判断をして、退職金なり相応の手当をお支払いするなどしてトラブルなく合意の上で退職の手続きを進めていくこと。
どうしても従業員さんに退職していただかなければならなくなった場合には、これらのことが必要なのだなという風に思っております。

今週はここまでになります。

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