199.質問箱回答!

199.質問箱回答! -人事・労務の豆知識 Podcast

今回は質問箱に回答いたしました。ご質問ありがとうございます!
今回は、
・選挙の時期に会社から頼まれた署名をしたくない話
・月額変更届の話
です。

1つ目のご質問

1つ目のご質問に市川が回答します!

ご質問ありがとうございます。
こちらの問題は、従業員さんではなく社長さんが選挙の署名活動をしていることですよね。
署名活動をされているのが従業員さんであれば、職務に専念しなければいけない義務があります。
就業時間中に会社内で選挙活動などをすると、お仕事以外の事をしているということで会社さんが就業規則に則って従業員さんに対して懲戒を行うことができるかなと思います。
しかし今回の場合は社長さんなのですよね。
これはもう従業員さんは署名をしない、しかないです。
波風を立てたくないとのことですけれども、「すみません、ちょっと今度の選挙はどうしても応援したい議員さんがいて。」と言うのもだめなのでしょうか。
選挙の時には違う方にそっと投票されていらっしゃるのかもしれないですけれども、後援会に入ったとして住所や電話番号を書いた場合には電話がかかってくる対象になると思いますし、下手すると電話をかける方の人として派遣されるみたいな、そんな話も聞いたこともあります。
それってだめじゃないかなと思いました。
もう波風立てるつもりであれば闘うことができるお話です。
例えば、署名をしなかったことによって、なにかしら不利益なことが起こった場合。
署名しないなら会社を辞めなさいとか、部署異動をさせられたとか、そういうようなことが起こった場合には、これは業務と関係ないところで指示されていることです。
そこは闘えるところなので、署名しないでください、としか言いようがないですよね。
繰り返しになりますが、本当に署名しないことで波風が立つような会社なのでしょうか。
従業員の皆さまが普通に署名をしていて、ご自分だけ書きたくないって言うのは難しいかもしれませんが、もし他の方も嫌々署名しているのであれば結託して、今回から署名はやめますと言って書かないのもありなのかもとは思います。
あと何らかの理由を付けて書かないとか、例えば自分が議員になる、みたいなそういうのがよいのではないでしょうか。

2つ目のご質問

2つ目のご質問に市川が回答します!

ご質問ありがとうございます。
Podcastを聴いてくださっている方はきっとご存知かと思いますが、月変=月額変更届について簡単にご説明しますね。
健康保険と厚生年金保険の社会保険料は毎月変動せずに固定されています。
社会保険料は標準報酬月額に料率を乗じて得た額を労使折半で事業主が納付します。
そして毎年7月1日現在において雇用されている(一部の者を除く)被保険者と70歳以上の被用者を対象として、定時決定という標準報酬月額の見直しが行われます。
定時決定はその年の4・5・6月に支給された報酬から標準報酬月額が決定され、原則その年の9月~翌年8月までの1年間は固定されます。
この標準報酬月額には等級があり、固定的賃金の変動があって標準報酬月額に2等級相当以上の差が生まれたなどの条件が揃った場合、1年間の固定はせずに対象となる報酬の3箇月平均を計算して随時改定を行います。(条件の詳細は随時改定(月額変更届)-日本年金機構HPにてご確認ください。)
随時改定を行うときに提出する届出が月額変更届=月変ということになります。

随時改定=月額変更届=月変と呼ばれております。

月変ができるかどうかの判断ポイントは、以下の4つになります。
1.「固定的賃金」の増減があること
2.継続した3月間のすべてに17(11)日以上の報酬支払基礎日数があること
3.標準報酬月額に2等級相当以上の差が生まれたこと
4.計算結果による等級の増減も1.に伴うこと

そのため「非固定的賃金」のみ変動があっても月変は行われません。
月変の「判断」と、標準報酬月額の「計算」の対象となる報酬は異なります。
標準報酬月額の「計算」には、残業手当などの「非固定的賃金」であっても含まれるものがあります。
計算時に必要な報酬などの詳細につきましては、算定基礎届の記入・提出ガイドブック 令和4年度ー日本年金機構HPをご参照ください。

「固定的賃金」の例は、基本給・通勤手当・役職手当などの支給額や支給率が決まっているもののことです。
「非固定的賃金」の例は、残業手当・皆勤手当・宿直手当などの変動が起こりうる賃金です。
※ただしこれらは名称に関わらず、実態に即して判断されます。

例えば雇用契約が変更された為、時給から月給に変更された場合には「固定的賃金」によって報酬の変動が生じたものとなり、所定の計算をして2等級相当以上の差があれば月変の対象となります。
残業時間の変動によって報酬に変動が生じたとしても、このような「非固定的賃金」が原因となる場合は月変の対象とはなりません。
そのためご質問の「残業が毎月必ずある部署から、全く残業がない部署に異動になった」場合は、月変の対象とはならないですね。
ただし、このご質問を拝見して月変の可能性があるかもしれないと思った要素があります。
それは残業が毎月必ずある部署はとても忙しいということで、その部署特有の手当てが支給されていたりすることがあります。
例えば営業手当で月2万円支給しますとか、その部署にいる事が原因で出ている場合にその営業手当は「固定的賃金」となります。
こういった手当が全くない部署に異動した、あと異動先部署の勤務場所が変更されて通勤手当が変わったとかの場合であれば、「固定的賃金」が変動するので月変になる可能性はありますよね。
あと仮に残業が毎月必ずあるA部署が、その部署にいる時だけは固定残業代を20時間分つけているといった事情があった場合。
そこから異動して、異動先のB部署では全く残業がないので固定残業代の20時間分はない、という制度であったとき(この制度の是非はともかくとして)この20時間分の固定残業代は「固定的賃金」に入るので月変の対象になります。
先ほども申し上げた通り、「非固定的賃金」としての残業がなくなっただけであれば月変の対象にはならないです。

もう一つご質問にあった「今まで夜勤に毎月入っていたが入らないことになった」場合につきましてはケースバイケースですね。
これも夜勤手当が「固定的賃金」なのか「非固定的賃金」なのかで月変を行えるか否か判断がわかれるところになります。
例えば契約の変更などで夜勤に入らなくなった場合、毎月「固定的賃金」で夜勤手当が支給されていたのがなくなったときは月変の対象となるかもしれませんし、同じ夜勤手当と呼ばれていたとしても、残業手当のような形で夜勤に入ったら時給がプラスで支給されるならば「非固定的賃金」という判断となり月変の対象とはならないかもしれないということです。
こちらは個別具体的な判断が必要となりますので、年金事務所の方へ確認されてみるとよろしいかと思います。
その他にも様々な事例が標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集ー日本年金機構HPにて公開されておりますので、こちらもご参考になさってください。

あと月変でご注意いただきたいことがあります。

すなわちこれは「固定的賃金」が上がった場合は必ず等級が上がる、同様に下がった場合は必ず下がる、という要素も月変できるか否かの判断ポイントになるということですね。
例えば残業代が毎月必ずある部署から全く残業がない部署へ異動になったと同時に基本給が上がった場合。
基本給は異動前25万円/月から、異動後28万円/月に上がりました。(「固定的賃金」が上がる。)
異動前は残業があったので平均総額33万円/月の報酬が支給されていました。(異動前は健康保険第24級・厚生年金保険第21級相当です。)
しかし異動後に残業がなくなった結果、3箇月連続で総額28万円/月しか報酬の支給がなかった場合は健康保険第21級・厚生年金保険第18級に下がる改定をされると思われそうなところですが、この場合は月変の対象にはなりません。
これは「固定的賃金」である基本給が上がった場合に該当するので、等級が上がらなければ改定されません。
このように基本給が上がったけれども、残業がなくなった為に等級が下がった場合は、もし2等級以上変わっていたとしても月変の可能性はないということになります。
初めて関わると結構引っかかるポイントだったりしますね。

まだ他にもご質問をいただいておりますので、そちらは後日お話ししたいと思います。
ご質問は匿名で受け付けております、質問箱にてお待ちしております!

今週はここまでになります。

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