205.法定休日の話

205.法定休日の話-人事・労務の豆知識 Podcast

今回は、労基法35条の休日についてお話いたしました。
4週4休の時は、起算日を定めて、就業規則などに規定します。
また、今回は、提供を息子が読んでくれました!

ご質問の内容

ご質問に市川が回答します!

ご質問ありがとうございます。
それではまず休日について、労働基準法第35条を見てみましょう。

休日について

労働基準法
(休日)
第35条
第1項 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
第2項 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。


第1項の「毎週少くとも一回の休日」が原則です。
第2項の「四週間を通じ四日以上の休日」就業規則等に四週間の起算日を明らかにすることが求められます。(労働基準法施行規則第12条の2 第2項)
就業規則等は従業員さんへ周知もしなければなりませんね。
この「四週間を通じ四日以上の休日」は、どの4 週間を区切っても4 日の休日が与えられていなければならないということではなく、特定の4 週間を明らかにするために起算日を就業規則等で定めるということになります。(昭和23年9月20日 基発1384号)

法定休日について

先ほどの栃木労働局の図を見ると、休日→原則→週1日→与え方→「できるだけ特定するのが望ましい」と書かれています。
この法定休日の特定はお勤め先の考え方にもよりますが、私は就業規則等の中に「〇曜日が法定休日」と書いておいた方がよいと思います。
なぜなら割増賃金を計算するときに、法定休日に出勤した場合は3割5分増以上、それ以外の時間外割増は2割5分以上とすることができて管理が明確にできますよね。
(※この4月から60時間超の時間外割増は2割5分以上から5割以上に変更となります、詳しくはこちらをご覧ください。)

あと例えば週休2日制で、所定休日は土曜日、法定休日を日曜日と定めたとします。
このように定めておけば法定休日となる日曜日に休日出勤する際、必ず事前申請して振替休日を取ってもらうようにするという形にもできますので、就業規則等でルールを定めることで法定休日をしっかりと意識して守ることにもつながりますよね。

そして法定休日が定められていない場合はどうなるのでしょうか?
下記リンクの厚生労働省の質疑応答Q10に「法定休日が特定されていない場合で、暦週(日~土)の日曜日及び土曜日の両方に労働した場合は、当該暦週において後順に位置する土曜日における労働が法定休日労働となる。」という見解が示されています。
改正労働基準法に係る質疑応答ー厚生労働省HP

このように行政の見解では法定休日が特定されていない場合、日曜日から土曜日を週の単位とすると、後にある土曜日が法定休日とされております。
一方で例外的ではありますが、裁判所の見解では法定休日を日曜日とした判例もありますので一概に後順ともいえないところがあります。(HSBCサービシーズ・ジャパン・リミテッド事件 東京地裁 平成23年12月27日)

会社さんにとって、どの日が法定休日になるかによって賃金計算をする際にも影響が出てきますので、就業規則等で法定休日を明確にすることをおすすめします。

4週4休以上の休日について

ご質問では、毎月のシフト作成で1シフト4日の休日を確保されているとのことでした。

労働基準法施行規則
第12条の2
第2項 使用者は、法第三十五条第二項の規定により労働者に休日を与える場合には、就業規則その他これに準ずるものにおいて、四日以上の休日を与えることとする四週間の起算日を明らかにするものとする。

この施行規則にならうと、例えば就業規則等に1月1日を4週間の起算日と規定すれば、そこから4週4休ずつ枠を取っていけばよいということになります。
しかし29日~31日ある月に対して4日しか休日が取れていないのであれば、これは残念ながらNGということになります。
4週の単位と1箇月の単位で日数が合わずに判断が難しいところではありますが、1箇月単位だとせめて5日以上の休日を組む必要があるのではないかと思います。

あと1年の週数については、365÷7=52.142・・・で切り上げて53週です。
年間休日については最低53日以上は必要ということになりますよね。
これに加えて1日8時間・週40時間までという労働時間の規制も考える必要があります
1日8時間労働の場合は5日しか働けませんので、週休2日制になっている必要があります。
その場合は(365÷7)×2=104.285・・・で切り上げて、週休2日制だと105日以上の休日が必要です。

4週4休は深く考えるとなかなか難しいですね。
ご質問のように1箇月単位でシフトを組むのであれば、最低限5日以上は休日がないと言い訳が立たないという状況になっておりますので、規定等を見直した方がよろしいのではないかなと思います。

今週のPodcastはですね、うちの息子がかわいい声で提供を入れてくれました。
家でPodcastの編集をしていたら、息子がやってきて手伝うと言って一生懸命「人事労務の豆知識」と言ってくれたんですね。
その日からもう私の顔を見るたび嬉しそうに「人事労務の豆知識」って言ってくれるようになりました。
収録して満足していたら、先日「あれ使った?どうだった?」と言われちゃったので、今週は息子の声も一緒にお届けしております。
   

205.法定休日の話-人事・労務の豆知識 Podcast

今週はここまでになります。

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