206.懲戒の種類

206.懲戒の種類-人事・労務の豆知識 Podcast

今回は、懲戒についてお話いたしました。
懲戒と言えば懲戒解雇がよく話題になりますが、解雇以外にも懲戒の制度があります。
出勤停止、減給、訓告、譴責・・・
いろいろためて、あるとき突然「懲戒解雇だ!」というのは非常に難しいことですので、普段から注意指導、必要あれば譴責や訓告などの軽めの懲戒を利用していってほしいと思います。
質問箱も取り上げております!

懲戒の種類について

今週は懲戒というテーマでお話しをしていきたいと思っております。
懲戒というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
懲戒といえば、懲戒解雇が一番有名なものだと思いますが、懲戒は解雇だけではないのですね。
そもそも懲戒とは何かというと、不正行為等に対して制裁をすることです。
会社さんでは就業規則等にあらかじめ懲戒の種類や事由を定め周知して、それに則って懲戒処分を行うということになります。

Podcastでは懲戒解雇、出勤停止、減給、けん責や訓告について取り上げて詳しく解説しております。
これらの処分について「就業規則作成・ 見直しのポイント」(厚生労働省資料)より抜粋・一部加筆修正をして、下記にて簡単にご説明します。

・懲戒解雇:制裁のうちで最も重い処分であり、解雇予告することなく、即時解雇するというもの。

・出勤停止:一定期間につき出勤停止を命ずる処分で、その間は無給とする処分。


・減給:賃金の減額を伴う処分であり、労働基準法第91条の制限を受け「1回の額が平均賃金の1日分の半額 を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」とされています。


・けん責:始末書を提出させて、将来を戒めることをいう最も軽い処分。


・訓告:物事の理非・善悪を教えさとし、戒めること。けん責と同様に規定されることがある。



※上から順に処分としては重たくなります。

※その他、懲戒の種類の詳細につきましては、厚生労働省資料「就業規則作成・ 見直しのポイント」のスライド83枚目、第10章 表彰及び懲戒(P77)以降をご覧ください。

そしてこの懲戒処分については、就業規則等に規定して周知してないと処分ができません。
そのため就業規則等にルールを定めてそれをちゃんと従業員さんにお知らせしておくことは、すごく重要なことだということです。

本日は質問箱にご質問をいただいておりまして、こちらに回答する前に懲戒についてお話しをしたほうがよろしいかと思い、ここまで解説をしました。
それではご質問の内容へうつります。

ご質問の内容

ご質問に市川が回答します!

ご質問ありがとうございます。
こちらのトイレタイムは長いですよね。
トイレが長いというのは体調からくる理由もあるとは思いますけれど、お昼の休憩にトイレへ行かずに休憩が終わってからトイレへ行くのは、ちゃんと指導した方がよかったと思いますよ。

従業員さんには職務専念義務というものがありますので、労働時間は労働に従事する義務というのが当然にあります。
そして労働時間に対して従業員さんは賃金をもらっているわけなので、労務を提供していないということは、会社さんはその分の賃金を払わなくていいということになります。
ただし、生きて行くために必要な部分のトイレとかについては、安全配慮義務とかもありますから、その分の時間はもちろん見てあげるべきですよね。
けれども、あまりにもトイレの時間が長い、コーヒーか何かを飲みに行って帰ってこない、タバコを吸いに行ってしばらく帰ってこない、とかそういうことについては労務の提供がなされてないということになりますので、しっかりと注意すべきところだったのかなと思います。

それに細かい規則を作っても運用はできないですよね。
例えばトイレは5分以内という規則を作ったとします、そうするといつもは体調がよかったとしても、今日はたまたまつらい・・・と言う方も出てきます。
そのためこのような場合はもうご本人とお話しするしか方法はないですよね。
しっかりとお話しして、正当な理由もなく社長さんや上司の方に対して従業員さんが論破してくる状況である場合は、職場の秩序を乱しているということになりますので、それは懲戒の事由になります。

もちろん使用者側からの命令が合理的なものである必要がありますし、トイレの件一発で懲戒解雇とかは絶対に無理ですが、けん責とかには当てはまるものになると思います。
そのため従業員さんに対して「就業規則第何条に従って、あなたのこの行為は会社としては看過できないため〇〇の懲戒処分とします。」というような形でしっかりとした手続きのもとお伝えするというのも、必要かなというふうに思います。

Podcastでは、従業員さんにご質問内容のような問題があるときに、上司の方が日常会話の中で従業員さんに注意をするだけではなく、会社さんとしてしっかりと就業規則に則って懲戒の手続きを踏むことをした方がよい理由やその効果も解説しております。

206.懲戒の種類 -人事・労務の豆知識 Podcast

今週はここまでになります。

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