207.社会保険とは何か!?

207.社会保険とは何か!? -人事・労務の豆知識 Podcast

今週は、基本に立ち戻って、社会保険の制度についてお話を致します。
たぶん、社会保険の理解の入門にはピッタリかと!!

社会保険とは何か!?

Podcastを聞いてくださっている方においてはいまさらなお話ですが、「社会保険とは何か!?」という基本的なところからお話をしていきたいと思います。
社労士試験の勉強をすると、いちばん最初に社会保険とは何か?というのに引っかかりますよね。
社会保険という言葉はよく知られていると思いますが、具体的に社会保険について説明をするのは結構難しいところです。
社会保険に入らなければいけないと法律で決まっているけれども、なんだかよくわからない。
なんだかよくわからないけれどお金を取られている、というようなイメージが社労士試験の勉強前にはありました。
私は勉強をはじめてまず社会保険とは何か?というところにふれて「なるほど、そういうことなのね。」とに思った記憶がございます。

保険料について

保険というのは、まず普段何もない時に保険料を支払います。
そして、普段は起こらない何かがあったとき=保険事故があったとき、条件に応じてお金を受け取ることができる制度が保険だということですよね。

民間保険の例でいうと、がん保険などがあります。
がん保険というのはがんに罹る前に加入して保険料を支払い、がんに罹ったとき=保険事故が起こったときに保険金を受け取れるわけです。

そして本題の社会保険については、保険の中でも法律で加入が義務付けられているものになり、国や公的機関が管理運営をしています。
特徴としては、保険料についてひと口1,000円など決まっているわけではなくて、国民年金以外は収入に応じて保険料を決定するというところになります。

社会保険の種類について

働いている方の社会保険は大きく分けて、労働保険狭義の意味での社会保険という2種類があります。
労働保険+狭義の社会保険=広義の社会保険と呼ばれているものですね。

労働保険とは?

労働保険には、労災保険雇用保険があります。

こちらは主に労働者に関する保険です(※一部例外についてPodcastで触れています)。

狭義の社会保険とは?

狭義の社会保険には、厚生年金保険・健康保険・介護保険があります。

こちらは保険事故について、主にご本人の生活から起こったことで保険給付を行うものです。

保険給付には様々なものがありますが、その代表的な例についてその原因となる保険事故と併せて次で触れてまいります。

保険給付について

社会保険の保険給付は、どういったことが原因となり保険事故とされているのか?代表的なものを見ていきたいと思います。

労災保険
業務上通勤中の、負傷・疾病・障害・死亡等に対して保険の給付が行われることになっています。
働くために出かけた時も含めて働くということに原因があって、何かしらの病気や怪我とかをした場合にそれが保険事故にあたるということになります。

雇用保険
働けなくなったこと、というのが代表的な保険事故になります。
この「働けなくなったこと」というのは、失業だけではなく、育児や介護、高齢のためにお給料が下がった、など生活費に影響が出ることに対して保険給付されます。

厚生年金保険
その支給の目的は、老齢・障害・死亡でこれらが保険事故にあたります。
年を重ねたとき・障害を持ったとき・生活を支えていた方が亡くなったときに、生活を支えるため保険給付をされるものです。

健康保険
先ほど出てきた労災保険以外で疾病や負傷について病院にかかったことが代表的な保険事故にあたります。
病院にかかった費用の一部を健康保険が保険給付として負担してくれるというものです。
ご年齢にもよりますが、通常は病院へかかるときに窓口での費用を健康保険が7割負担してくれて、ご自身は3割支払うものですね。
その他に死亡や出産でも保険給付があります。

介護保険
こちらは読んで字のごとく、主に介護が必要となった場合に保険事故と判断され、保険給付される制度です。

社会保険手続きの注意点

介護保険には第1号被保険者第2号被保険者という括りがあります。
年齢要件について、第1号被保険者は65歳以上の方、第2号被保険者は40歳~64歳までの方が対象になります。
(※詳しい要件は「介護保険制度について」ー厚生労働省HPをご覧ください。)

ご注意いただきたいのが、第2号被保険者は40歳から介護保険料の徴収をすることになります。
こちらは市区町村から介護保険料の徴収について案内がないため、会社さんが年齢の管理をしなければなりません。
そのため原則、対象の方が40歳になると介護保険料の徴収を始めて、65歳になったら会社さんはこの徴収を終える手続きが必要となります。

それと介護保険は海外転勤する方にも注意が必要です。
厚生年金保険と健康保険は海外転勤となっても加入し続けます。
それに対して、介護保険は海外転勤となって住民票が国内になくなると加入をやめる手続きをします。
海外から帰国して国内へ住民票が戻ってきたら、また介護保険へ加入する手続きが必要になります。
(※詳細は「海外へ転勤または転職するときの手続き/海外から帰国したときの手続き」ー日本年金機構HPをご覧ください。)

最後に厚生年金保険と健康保険について加入要件を満たす方につきまして下記の図をご参照ください。

「厚生年金保険・健康保険制度のご案内」ー日本年金機構HP

厚生年金保険と健康保険は適用拡大による改正の過渡期になりますので、これも注意が必要です。
現在は令和4年10月施行の改正で下記の要件に該当すると、健康保険・厚生年金保険が適用されます。

これらの注意点をふまえて、現状に合ったお手続きをしていただくということが重要かと思います。

Podcastでは
・労災の特別加入とは?
・労災と雇用の保険加入要件
・海外旅行中の健康保険について など

これらについてもわかりやすくお話ししておりますので、もっと深く知りたい方はぜひお聞きください

207.社会保険とは何か!? -人事・労務の豆知識 Podcast

今週はここまでになります。

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